福生の人物

森田浪吉(もりたなみきち) −福生の製糸場創業者−

 森田浪吉は明治6年(1873)、東京府初の製糸所、森田製糸場を熊川に創業した人物です。明治から大正にかけて、生糸は日本の重要な輸出品で、農村の養蚕業を基盤に製糸業が発展していました。

 浪吉は弘化2年(1845)に熊川村に生まれ、明治6年に妻サクとともに従業員50人の工場を創業します。輸出業者と直接取引するなど積極的な経営を進め、明治13年(1880)には従業員を120人、明治35年(1902)には400人と工場を拡張させていき、東京府でも屈指の大企業となりました。跡を継いだ娘の美知子と夫退蔵のときには、東京勧業博覧会に出品した蚕糸が一等を受賞するなど、森田製糸場の技術は高く評価されていました。

 明治22年(1889)には福生村熊川村組合助役に就任し、地域にも大きく貢献した森田浪吉は、明治38年(1905)に60歳でこの世を去りました。

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