福生の人物

藤雲嶺(とううんれい) −牛浜出水図を描いた手習い師匠−

 安政6年(1859)7月、牛浜地区を豪雨による水害が襲いました。「牛浜出水図」とよばれる絵巻によると、集中豪雨により段丘から水があふれて村中が水浸しになりましたが、村人が力を合わせて道に溝を掘って水を流したので、家の流失もなく、人命にかかわる被害も無かったそうです。この絵巻には水の中を逃げる村人や多摩川の濁流だけでなく、五日市街道や牛浜の集落、田畑も描かれていて、当時の村の様子をうかがい知ることができます。

 絵巻の作者である藤雲嶺は、幕末に江戸から熊川牛浜地区に手習いの師匠として招かれた人物です。もとの姓は小林という浪人であったと伝えられ、熊川の千手院牛浜墓地内に墓碑があります。千手院の過去帳によると藤雲嶺は文久4年(1864)1月に亡くなりました。

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